相続税申告
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亡くなった人から各相続人等が相続や遺贈などにより取得した財産の価額の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の課税対象となります。
当社では、相続に関する手続き支援も行っております。以下に相続についての知識をまとめましたので、ぜひご一読ください。
ここがポイント!
- 財産を相続したときの課税額を具体的にご紹介
- 知らなきゃ損!税額より控除されるもの
- 申告から納税までの手順とは?
財産を相続したときの税金
相続税の課税対象となる課税遺産総額の計算
- 相続や遺贈によって取得した財産(遺産総額)の価額と、相続時精算課税の適用を受ける財産の価額を合計します。
- (1)から債務、葬式費用、非課税財産を差し引いて、遺産額を算出します。
- 遺産額に相続開始前3年以内の暦年課税に係る贈与財産の価額を加算して、正味の遺産額を算出します。
- (3)から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。
注:正味の遺産額が基礎控除額を超えない場合には、相続税はかかりません。
課税遺産総額の計算表
※国税庁“パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)財産を相続したとき”抜粋
3,000万円+600万円×法定相続人の数=基礎控除額
注:被相続人に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなります。「相続税の総額」の計算においても同じです。
■非課税財産
- 墓所、仏壇、祭具など
- 国や地方公共団体、特定の公益法人に寄附した財産
- 生命保険金のうち次の額まで
500万円×法定相続人の数 - 死亡退職金のうち次の額まで
500万円×法定相続人の数
相続税の計算
- 課税遺産総額を法定相続分どおりに取得したものと仮定して、それに税率を適用して各法定相続人別に税額を計算します。
- (1)の税額を合計したものが相続税の総額です。
- (2)の相続税の総額を、各相続人、受遺者及び相続時精算課税を適用した人が実際に取得した正味の遺産額の割合に応じてあん分します。
- (3)から配偶者の税額軽減のほか、各種の税額控除を差し引いて、実際に納める税額を計算します。
相続税の計算例
正味の遺産額が2億円で、妻と子2人が法定相続分どおりに相続した場合
※国税庁“パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)財産を相続したとき”抜粋
法定相続分の主な例
相続人 | 法定相続分 | |
---|---|---|
子がいる場合 | 配偶者 | 2分の1 |
子 | 2分の1(人数分に分ける) | |
子がいない場合 | 配偶者 | 3分の2 |
父母 | 3分の1(人数分に分ける) | |
子も父母もいない場合 | 配偶者 | 4分の3 |
兄弟姉妹 | 4分の1(人数分に分ける) |
相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | ‐ |
1,000万円超~3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超~5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超~2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超~3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超~6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超~ | 55% | 7,200万円 |
※平成26年12月31日以前に亡くなった人に係る相続税については、上記の基礎控除額や税率などが異なりますので、詳しくは税務署にお尋ねください。
配偶者の税額軽減(配偶者控除)
配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円までか、配偶者の法定相続分相当額までであれば、配偶者に相続税はかかりません。
なお、配偶者控除を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要です。
注:正味の遺産額のうち仮装又は隠蔽されていた部分は、配偶者の税額軽減の対象とはなりません。
税額から控除されるもの
未成年者控除
相続人が20歳未満の方の場合は、20歳に達するまでの年数1年につき10万円が控除されます。
障害者控除
相続人が障害者の場合は、85歳に達するまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)が控除されます。
暦年課税に係る贈与税額控除
正味の遺産額に加算された「相続開始前3年以内の贈与財産」の価額に対する贈与税額が控除されます。
相続時精算課税に係る贈与税額控除
遺産総額に加算された「相続時精算課税の適用を受ける贈与財産」の価額に対する贈与税額が控除されます。
なお、控除しきれない金額がある場合には、申告をすることにより還付を受けることができます。
宅地や建物の評価方法
宅地は路線価等を基に評価します。
建物は固定資産税評価額によって評価します。
相続税や贈与税を計算する場合の宅地や建物の評価方法は、次のとおりです。
宅地
路線価方式又は倍率方式で評価します。
路線価及び倍率は、国税庁ホームページで確認することができます。
路線価方式:路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(路線価)を基に計算した金額で評価します。
路線価方式による評価額の計算例
※国税庁“パンフレット「暮らしの税情報」(平成27年度版)財産を相続したとき”抜粋
正面路線価:30万円
奥行価格補正率:1.00
面積:180m2
評価額:30万円×1.00×180=5,400万円
注:普通住宅地区における奥行18mの場合の奥行価格補正率は、1.00です。
倍率方式:路線価の定められていない地域についての評価方式で、固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて計算した金額で評価します。
〈小規模宅地の場合〉亡くなった人などが事業や住まいなどに使っていた土地のうち一定の事業用の土地の場合は400m2、一定の居住用の土地の場合には330m2、一定の貸付用の土地の場合は200m2までの部分(小規模宅地)については、次の割合が減額されます。
なお、小規模宅地の減額を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要です。
区分 | 減額率 |
---|---|
居住用・事業用で一定の要件を満たすもの | 80% |
貸付用で一定の要件を満たすもの | 50% |
建物
建物の固定資産税評価額によって評価します。
申告と納税
相続税の申告から納税まで
相続人は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10か月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告・納税する必要があります。
注:相続税の納付については、次に掲げる場合を除き、各相続人等が相続又は遺贈により受けた利益の価額を限度として、相互に連帯して納付しなければならない義務が課せられています。
- 本来の納税義務者の相続税の申告書の提出期限等から5年以内に税務署長(国税局長)が、「納付通知書」を発していない場合
- 本来の納税義務者が延納の許可を受けた相続税額に係る相続税
- 本来の納税義務者が農地や非上場株式などの相続税の納税猶予の適用を受けた相続税額に係る相続税
延納制度
相続税額が10万円を超え、かつ納期限(納付すべき日)までに金銭で納付することを困難とする事由があるときは、申請により年賦払いによる方法で納めることができます。この場合には、利子税がかかるほか、原則として担保の提供が必要です。
物納制度
延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があるときは、相続した財産(財産は物納適格財産であるなど、一定の要件を満たしたものに限られます。)で納めることができます。
注:延納又は物納をするには、納期限(納付すべき日)までに所轄税務署に申請書及び手続に必要な関係書類を提出し、許可を受ける必要があります。
被相続人の所得税・消費税の申告
所得税及び復興特別所得税・消費税及び地方消費税の申告をすべき方が年の途中で亡くなった場合は、相続人はその全員の連名により、被相続人が死亡した日の翌日から4か月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に確定申告をします。
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